根管治療という治療でどうしても痛みが引かない場合で来院される患者さんがいらっしゃいます。
レントゲン上でも大きな病巣が有ったり、歯にひびが入っているという様子もありません
痛みの特徴としては、ちょっとずつシクシク、ズキズキがず~っと続きます。
ちょっとずつず~っと痛いのはつらいものです。
冷たいものや熱いものがしみるという歯の神経の痛みとは違います。
実際にこのような歯を抜歯してみると、上図の赤い部分の歯根膜が死んでしまって、歯根膜が存在しません。
正式な病名はありませんが「根尖性歯根膜壊死」とでも表現できるかもしれません
原因は特定できませんが消毒液の根尖からの漏れ出しの可能性があると思います
過去の経験で大丈夫そうに見えるのにどうしても治らない歯を抜歯して観察して初めて見つけることができる病態です。
マイクロスコープなら治療できるかというとたぶん無理ではないかと思います。
この状態になると、治療法としては可能であれば歯根端切除となりますが、大臼歯では不可能が場合が多いです。
歯の神経を取る処置をした時点で、長期的にはいろいろなリスクが出ています。
出来るだけ神経を取らないで済むうちに治療することをお勧めいたします。